合掌
2013-02-25(Mon)

『遺体・明日への十日間』
見てきました。
東日本大震災発生直後の岩手県釜石市を舞台に、遺体安置所でボランティア活動をした人々と遺族たちの10日間を描いた映画です。悲しくて切なくて・・・・。
西田敏行さん主演の東日本大震災発生からずっと拘わってきた民生委員の千葉淳さんの役を演じられています。
西田さんの素晴らしい演技は、心に残りました。
元葬儀屋の相葉常夫のモデルとなった釜石市の民生委員・千葉淳さんは、被災時ご遺体に声を掛け続け、体を丁寧に拭き、汚れを取ってくださったのですね。そうすることで、ご遺体は、人間の尊厳を取り戻していったのですね。
スクリーンの中でも西田さんが、本当に優しい声で「痛かったね。つらかったね。よく我慢したね」と声を掛けると、目を背けたくなるような痛々しい「死体」が「遺体」となり、嫌悪感や恐怖感はなくなり、涙がこみ上げてきます。
特に子どもの遺体を見た瞬間にくるりと背を向け、泣きじゃくっていた釜石市職員の姿はなんとも言えないものでした。遺体安置所に駆けつけてきたお坊さんが、日蓮宗の輪袈裟をかけていたのです。そうなんです釜石市の仙壽院のご住職だったです。法要でお世話になった時にお話ししてくださった流される家の屋根で必死に助けを求めていたお婆さんの事を演じた國村隼は苦しそうに仰っていました。映画の中で法華経の読経・・・・。途中で声を詰まらせ中々唱えられない・・・・。辛いですね。本当に辛いですね。
これは演技ではなく 君塚監督によると、住職を演じるために國村はかなり長いお経を撮影のために習得してきたそうです。数多く並ぶ遺体を目の当たりにし、何度も声を詰まらせていました。これは演技ではなくて感じたままなのでしょうね。
合掌